TECH
医療技術・DX・AI・規制まわり。
- EP 01 · 2026-05-08
技師さんの craft が、本当に試される時代へ
医療機器メーカーが、医療労働力を売り始めた。Siemens の WeScan、武漢の野戦病院、フロリダの 94%。装置の話ではなく、業態が変わった話。
8 min read - EP 02 · 2026-05-15
19 mm vs 5 mm — 機械が、人間より正確に患者を置く時代になった
19 mm。 熟練の診療放射線技師が、CT の中で患者の体を「ど真ん中」に置こうとして、平均でずれる距離。 天井の赤外線 3D カメラがやると、5 mm。
12 min read - EP 03 · 2026-05-22
武漢 2020 — COVID が時計の針を 5 年早送りした 1 ヶ月
2020 年 2 月 12 日の朝、武漢の臨時病院の駐車場に、20 ㎡ の白いコンテナが運び込まれた。 中身は CT スキャナだった。United Imaging という上海の医療機器メーカー (当時はまだ IPO 前) の uCT 528 という機種。コンテナの屋根には 5G アンテナが立っていて、撮影画像はリアルタイムで別の建物にいる技師と放射線科医に飛んでいた。
11 min read - EP 04 · 2026-05-29
「技師が同じ建物にいない」スキャンが、商品になった 4 年間
第 3 回で書いた武漢のコンテナ CT は、緊急下の特殊解だった。 2020 年から 2026 年までの 4 年間で、その特殊解は商品になった。Siemens、Philips、RadNet 子会社の DeepHealth、GE × IONIC Health の 4 系列が、それぞれ別のアプローチで「現地撮影 + 遠隔技師」のフルチェーンを商業展開している。
18 min read - EP 05 · 2026-06-05
米国 — RSNA が「公衆衛生危機」と呼んだ 2024 年 10 月
2024 年 10 月、北米最大の放射線学会 RSNA が、診療放射線技師の不足を「公衆衛生危機 (public health crisis)」と公式声明で宣言した ([RSNA 2024-10](https://www.rsna.org/news/2024/october/radiologic-technologist-shortage))。
23 min read - EP 06 · 2026-06-12
英国 NHS — 「技師が読影する」が世界モデルになった 20 年
英国の地方病院に行くと、CT の頭部撮影や MR の膝関節撮影が、医師ではなく技師の名前で 1st reading (一次読影) されていることがある。
17 min read - EP 07 · 2026-06-19
北欧 — 4 歳児が泣かずに MRI を受けられた話
ボストン子供病院で、4 歳児が MRI を受けるとき、以前は 57% に全身麻酔が必要だった。 2024 年現在、その数字は 5% まで下がっている ([Pediatric Ambient Experience study, PMC 11888108](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11888108/))。
16 min read - EP 08 · 2026-06-26
ドイツ — €4.3 billion の補助金が、vendor lock-in を作った話
ドイツ連邦政府は 2020 年、Krankenhauszukunftsgesetz (病院将来法、略して KHZG) を成立させた。€4.3 billion の補助金で、ドイツの病院をデジタル化する 4 年計画。
13 min read - EP 09 · 2026-07-03
韓国 — 「人口あたり世界一」を達成した小国の AI 医療輸出戦略
韓国の MFDS (식품의약품안전처、日本の PMDA に相当する規制当局) は、2022 年末の時点で AI 医療機器を累計 149 件承認していました。
13 min read - EP 10 · 2026-07-10
シンガポール — AimSG という「国家統合プラットフォーム」が運用されている話
シンガポールには AimSG という名前の AI 医療画像プラットフォームがあります。 正式名は AI in MedTech (Singapore)。シンガポール保健省 (Ministry of Health, MOH) と Synapxe (旧 Integrated Health Information Systems, IHiS、シンガポールの公的医療 IT 機関) が 2022 年から運用しています。
14 min read - EP 11 · 2026-07-17
中国 — 武漢 2020 の遺産と、UIH が描く「世界の半分の CT は中国製」未来
中国の医療画像装置メーカー UIH (聯影医療、上海) が、2024 年に世界 CT 出荷台数で約 22% のシェアを取りました。
15 min read - EP 12 · 2026-07-24
中東 / 豪 / インド — 富裕国・資源国・飛び級国の 3 モデル
第 II 幕「世界ツアー」の最終回です。 ここまで米国 (回 5)、英国 (回 6)、北欧 (回 7)、ドイツ (回 8)、韓国 (回 9)、シンガポール (回 10)、中国 (回 11) を巡ってきました。第 12 回は中東・オーストラリア・インドの 3 地域を一気に扱います。
17 min read - EP 13 · 2026-07-31
日本の構造的歪み — 技師 8.6 万人、放射線科医 7,000 人、5 極ガバナンス
第 III 幕「日本の現実」の幕開けです。 第 II 幕で世界 8 モデルを見てきました。米国の市場主導、英国の Reporting Radiographer 30 年準備、北欧の文化主導、ドイツの補助金苦戦、韓国の産業政策、シンガポールの単一権威、中国のフルスタック、中東 / 豪 / 印の多様性。
12 min read - EP 14 · 2026-08-07
日本の規制は AI を妨げていない。判断する人が、散らばっているだけだ
PMDA の AI-SaMD 累計承認件数。だいたい 50 件です。 韓国 MFDS が 305 件 ([MFDS 公開リスト 2024 末時点](https://nedrug.mfds.go.kr/))、米 FDA が累計約 950 件 ([FDA AI/ML-Enabled Medical Device List 2024](https://www.fda.gov/medical-devices/software-medical-d
10 min read - EP 15 · 2026-08-14
craft を育てる場所が、craft が試される時代に追いついていない
放射線技師の養成校。全国に 65 校あります。 4 年制大学が約 30 校、3 年制短期大学・専門学校が約 35 校。年間入学定員は合計で約 4,500-5,000 人 (文科省学校基本調査 2024)。国家試験合格率は約 80%。年間で新しい技師さんが 3,500 人くらい誕生しています。
8 min read - EP 16 · 2026-08-21
年 5,000 万件の胸部 X 線、その大半が健診で撮られている
5,000 万件。 日本で年間に撮られる胸部 X 線の概算です。労安法の一般健康診断、学校保健法の学校健診、特定健診、人間ドック、各種スクリーニング、そして診療目的のもの。重複を除いて、約 5,000 万件 (厚労省衛生行政報告例 + 国民健康保険連合会データ + JADHA 統計の集計値)。
11 min read - EP 17 · 2026-08-28
JART は 6.5 万人を代表する職能団体。8.6 万人の craft を、どこへ運ぶのか
JART (日本放射線技師会、Japan Association of Radiological Technologists)。1947 年設立、加盟者約 6.5 万人 (技師全体 8.6 万人の 約 75%)。
10 min read - EP 18 · 2026-09-04
Pepper が医療現場に来なかった 10 年から、AI が学ぶべきこと
2015 年。SoftBank が Pepper を発売しました。 価格は本体 19.8 万円、月額サブスクリプション 1 万 4,800 円。発表時の見出しは、感情を持つロボットを名乗るものでした。同時期に発表された医療領域への期待は、受付対応、案内、問診、患者の話し相手、認知症ケア、リハビリ補助。
12 min read - EP 19 · 2026-09-11
案内ロボットは、なぜ Pepper より静かに、確実に、現場に居続けたのか
> 連載「技師さんの経験と技術が、本当に試される時代へ」第 19 回 / 全 24 回 > 第 IV 幕開幕 — 技術深掘りの最初の引き出しは、いちばん地味なロボットから
11 min read - EP 20 · 2026-09-18
voice AI が米国の医師から書類仕事を剥がしている速度と、日本でそれが起きにくい理由
> 連載「技師さんの経験と技術が、本当に試される時代へ」第 20 回 / 全 24 回 > 第 IV 幕第 2 回 — 技術深掘りの中で、いま最も静かに、最も速く展開しているカテゴリ
13 min read - EP 21 · 2026-09-25
VR/AR は外科訓練と術前計画では深く根付いた、けれど日常診療には届いていない
> 連載「技師さんの経験と技術が、本当に試される時代へ」第 21 回 / 全 24 回 > 第 IV 幕第 3 回 — 「展示会で映える技術」と「現場で使われる技術」の境界線
12 min read - EP 22 · 2026-10-02
2025 年の humanoid robotics は、Pepper の何を変えて、何を変えていないか
> 連載「技師さんの経験と技術が、本当に試される時代へ」第 22 回 / 全 24 回 > 第 IV 幕完結 — Pepper の 10 年の遺産を、新世代 humanoid に再投影する
17 min read - EP 23 · 2026-10-09
倫理 — 構造を直しても残る 5 つの問い
ここまで 22 回、わりと構造の話ばかりしてきた。労働市場が歪んでいる、規制が空白だ、養成校の AI 教育がまだ薄い、Pepper はこういう理由で外れた、voice AI はこの 4 条件を満たした、humanoid は工場で実証中で病院にはまだ来ない、と。
16 min read - EP 24 · 2026-10-16
日本提言 — 連載最終回 / 2026-2030 synthesis
連載 24 週、ここまで読んでくれた人、本当にありがとうございます。 最終回は synthesis です。 第 II 幕で世界 8 ヶ国モデル (米 / 英 / 北欧 / 独 / 韓 / 星 / 中 / 中東-豪-印) を見て、日本はそのどれにも合致しないと結論づけた。第 III 幕で日本の構造的歪み 5 つを analyse した。第 18 回で Pepper の 10 年から 3 教訓を取り出した。第 IV 幕で 4 技術カテゴリ
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